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スラッシュドットを読んでいたら

  • Posted by: mastuoka
  • 2003年7月31日 11:10
  • IT関連

スラッシュドットを読んでいたらリンクを貼ろうとする者は事前に許可を受けよというタイトルのタレコミがあった。

よくあるサイトオーナー間のやりとりで、「リンク貼りたいんですがいいですか?」とか「リンク貼る場合はメール下さい」などはよくあることだが、国立感染症研究所感染症情報センターには、以下のリンク条件が書いてある。

感染症情報センターのウェブページ全体、あるいはその一部にリンクを貼る場合、もしくは、データを転載する場合には許可が必要です。申請書をダウンロードして、提出してください。
で、その申請書の中身と利用条件を読んでみたが、ナンセンス極まりない。
1 申請に対する許可が下りるまでは、リンクの設定あるいはデータの利用を行わないこと。 2 国立感染症研究所感染症情報センター(以下「当センター」)は、利用者が当センターホームページの情報を用いて行う一切の行為について何ら責任を負うものではないこと。 3 リンク設定 (1)リンクの設定を行う場合、「感染症情報センターホームページ」へのリンクである旨明示すること。 (2)当センターホームページは、予告なしに内容の変更、又は削除、もしくはURL(アドレス)の変更をする場合があるので、あらかじめご了知のこと。 (3)リンク設定申請の場合、イメージ(リンク設定後のホームページのイメージ)を添付すること(除:行政機関)。 4 データ利用 (1)当センター長の監修を受けること。 (2)データ利用に当たっては、第3者に対し、当センターのデータが、あたかも利用申請者の意見・成果等であると誤解を招くような方法で掲載しないこと。 (3)写真・画像・文書等を無断で転載すると、著作権法違反になる場合があるので、必ず承認を得ること。 (4)出典として、「国立感染症研究所感染症情報センター」と明記すること。 (5)作成・公表した出版物等の成果物を当センターに寄贈すること。 (6)データを無断で第3者に譲渡しないこと。 5 リンク設定あるいはデータ利用に当たっては、上記の他、当センター長からの指示を遵守すること。 ※ 申請内容を精査した上で、利用の可否を当方から連絡するので、本申請書をF A X あるいは郵送にて提出のこと。 ○FAX:03-5285-1191(利用の許可を受けた後、下記宛に押印済みの正本を送付すること。) ○郵送先:〒162-8640 新宿区戸山1-23-1 国立感染症研究所感染症情報センター情報管理専門官
公開情報の緊急性、正確性を保つために、リンクを貼ってくれているサイトオーナーの連絡を密にしたいなどの国立感染症研究所感染症情報センターの前向きな心意気がこうさせているのかもしれないと思いたいが、それと著作権侵害になるかは別だろう。

ちなみに私が今書いているこの文では、国立感染症研究所感染症情報センターのサイトにリンクを貼っている訳だが、当然上記書類なんか提出していない。また、このサイトには個人の申請用紙は用意されていない。されていたとしてもそんなの提出する気など全くない。無断リンクは違法かに関しては下記サイトが参考になる。


社団法人著作権情報センター「無断でリンクを張ることは著作権侵害となるでしょうか」

に対する回答の抜粋は下記の通り。非常に単純明快である。


「リンクを張る際には当方に申し出てください」とか、「リンクを張るには当方の許諾が必要です」などの文言が付されている場合がありますが、このような文言は道義的にはともかく法律的には意味のないものと考えて差し支えありません。ホームページに情報を載せるということは、その情報がネットワークによって世界中に伝達されることを意味しており、そのことはホームページの作成者自身覚悟しているとみるべきだからです。リンクを張られて困るような情報ははじめからホームページには載せるべきではなく、また載せる場合であっても、ある特定の人に対してのみ知らせようと考えているときは、ロック装置を施してパスワードを入力しなければ見られないようにしておけばよいだけのことではないでしょうか。

弁護士紀藤正樹のLINC/ リンクは自由か?

ここでは日弁連のサイトでのリンク可否に関しての現状が解説されているが、日弁連サイトのリニューアルに伴い、弁護士の利便性要求に答えた形で検索性などが向上しているにも関らず、リンク条件が記載されていることへの問題提起がされていて、非常に考えさせられる。特に下記解説は参考になるだろう。

著作権法第32条は「公表された著作物は、引用して利用することができる」とし、「引用は、公正な慣行に合致するものであり、かつ、報道、批評、研究その他の引用の目的上正当な範囲内で行われるものでなければならない」とする。つまり著作権法は、原則として、引用を認めている。

 それではリンク先の文章を引用するのではなく、リンクだけをはる行為はどうか?
 
 実はこれは著作権法に予定する引用ですらない行為というのが、学者の通説でもあり、政府見解でもある。なぜならリンクは「昨日の○○というテレビ番組見た?」とか言った類の情報の所在を示すものにすぎず、言わば「参考文献」の表示でしかないからだ。

 1997年5月22日に開催された第140回国会参議院文教委員会でも、政府委員の小野元之文化庁次長は、「ホームページの表示をするためのデータの中に他のホームページの情報も入れておくということにすぎない」「著作権法上の利用行為には該当しない」「リンク先のホームページ作成者の許諾というのは不要」と答弁している。

この種の「変な」条件は、ここに限ったことではないと思うが、変なのは変である。

よくやらかしてくれるのが新聞社。
ライントピックスと東京読売新聞社との係争はその典型だと思う。「読売新聞東京本社によるライントピックス提訴に関して」というライントピックス側の見解が我々ネット利用者にとっては1番近いものだと思う。
特に結びの文で、ライントピックス側の強い意志が見て取れる。


誰でも自由に接することができるホームページ上に無料で情報を公開しながら、リンクを張ることを規制し、それに対して営業損害を主張するというのは、一種の自己矛盾と感じられてなりません。 「見出し」「タイトル」を表示してのリンクが違法ということになれば、インターネットはその利便性の一部を失い、せっかくの「新しい文化」が後退させられることは確実です。弊社は、そのような不当な結果を防ぐため、今回の裁判を懸命に闘っていく所存です。

これは単に良心や原則の話ではない。新聞社とネット活用モデルを実践するベンチャー企業が提供する付加価値の狭間での闘いであると思う。

また、ルールも時代の要請により変わるものだ。

ステロイド薬害の現状も個人がはっきり「ステロイドは使わない」という意思表示をすること。「アトピーにステロイドを使ってはいけない」ということを如何に認知させるかだが、今は皮膚科のルールが正しくなくともまかり通っている。この間違いを質すのは皮膚科や製薬会社などの生産者ではなく、「アトピーにステロイドは絶対使わない」という我々消費者だ。

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