- 2003年9月18日 21:30
- 国境なき医師団日本
国境なき医師団日本からのダイレクトメールが先日郵送されてきたが、この団体に私は住所、氏名、郵便番号などを教えた覚えはない。封書の内容は、寄附金を募る一般的なものだが、物販を行なう民間の営利企業の一方的なダイレクトメールでは、「こんなん送ってくるなドアホ!」と報復に出るが、世界的にも名の知れたNPO(非営利団体)の日本拠点、それも紛争地域での医療活動を行なっている現場の医師の行動など崇高なことをしている団体でもこのような事態になるのは怖い時代になったものだ。
残念ながら個人情報は自分で守らねばならないようなキナ臭いご時世だ。私が当該団体に寄附をするしないは別次元の話だし、あまり悪く書きたてたくはないのだが、今後の彼らの教訓となってもらうことも大切だろう。敢えて苦言を呈するならば、これは明らかに国境なき医師団日本の失態である。
とりあえず、どのような経緯で私宛てにダイレクトメールを郵送するに至ったかを問い合わせることとした。
問い合わせ先電話番号があったのでまずここに電話した。
話した内容の概略は下記の通り。
Q:DM宛先リストの入手元はどこか? A:株式会社アポロ広告社の大学卒業者名簿を使いました。Q:DM送付の許諾を得たクリーンな宛先であるという判断を国境なき医師団日本は行なったのか?
A:業者(アポロ広告社)のデータを採用した時点でクリーンであると考えていました。Q:今回このDMは何通郵送されましたか?
A:40万件に郵送しました。Q:業者(アポロ広告社)の宛先データには、送付されたくない人もいる可能性があるとは思われませんでしたか?
A:はい、大丈夫だと思っていました。Q:しかし、私のように、個人情報の漏洩を気にしている人からのクレームは発送前の段階で想定し、その対策を講ずる義務が、国境なき医師団日本にもアポロ広告社にもあると思いますが、その責任範囲や今後のクレーム処理方法などは確立されていますか?
A:そこまでは.....正直できておりません。今回は大変ご迷惑をおかけしました。
Q:では、今後の対策として、どのようなことを実施されるのですか?
A:DM送付を許可されなかった方には今後決して送らないように致します。Q:では、絶対に送付されないということを私にどこまで証明できますか?また、万一送付されてしまった場合、私がそのことに対する不安(個人情報漏洩に対する第三者のストーカー行為などの被害を受けたりした場合、その精神的苦痛などが発生するなど)に対してどこまで責任を負うと明言できますか?また、その不安を何をもって払拭されるおつもりですか?貴団体にはこれを恒久的に保証する責任と義務が発生すると思いますが。。。。
A:そこまでは........
後半は非常に意地悪な質問をしたが、あくまで紳士的にやりとりを続けたが、正直可哀想になってきた。自分が国境なき医師団の職員の立場であったとしても、最後の質問には答えられない。
あとは、実際の名簿を提供したアポロ広告社にも同様にクレーム兼問い合わせをこのあと行なったのだが、この業者、Webが公開されているので下調べしてみたが、「プライバシーマーク」を取得していないようだ。業者が「プライバシーマーク」を取得していないにも関らずこの業者を使っていることも、国境なき医師団にとっては落ち度があることは否定できない。(但し、これを取得しているかどうかが絶対的な判断基準かというのも正直私にはわからないが、取得企業数の多さ、個人情報に関する事故がおきた場合などのリカバリー、公表などに関しての透明性などへの取り組み姿勢など、第三者の判断基準としてはこれの取得有無は重要と私は考える。)
電話で言った言わないとあとでもめるのも嫌なので、この後に国境なき医師団日本宛てに出した抗議メールを以下に貼りつけておく。
From sji@bekkoame.ne.jp Thu Sep 18 14:46 JST 2003 To: support@tokyo.msf.org Subject: ダイレクトメールに関して(クレーム) From: Shinji MatsuokaDate: Thu 18 Sep 2003 14:46:31 +0900 (JST) Mime-Version: 1.0 Content-Type: text/plain; charset=ISO-2022-JP Message-ID: <030918144631.M0128388@bekkoame.ne.jp> X-Mailer: DUMBONET SYSTEMS WebMail parsec 1090 Oct 2001 国境なき医師団日本 御中
本日お昼に03-5988-0560宛てでクレームの電話をさせて頂いた者です。
貴団体から郵送されたダイレクトメールにより、以下の不安がぬぐえない旨本メールにて改めて通告させていただきます。まとめますと以下の点において、貴団体の落ち度を指摘させていただきます。これは容認できることではなく、精神的苦痛、不安を払拭するよう、襟をただした活動を強く要求するものです。(1)貴団体から私宛てのダイレクトメールの郵送を私は許可していない。
(2)ダイレクトメールの送付の際、許可、拒否の確認を事前に貴団体で行なったのか?もし実施したならば、誰が、いつ、行ない、送付対象と判断した責任者は誰か?を明確にし、その経緯を全て公開する義務が貴団体にはあると考える。
(3)また、その責任を取るにあたり、貴団体からダイレクトメールが私宛てに恒久的に送付されないことを保証することを名文化した謝罪文を送付することを強く要求する。
(4)それでもなお貴団体からダイレクトメールが送付された場合、法的手段において、貴団体に損害賠償請求を行なうこともありうる。
(5)アポロ広告社以外のDM業者に委託して今後発送された貴団体からのDMが私に届いてしまった場合も上記(4)と同様の手続きを行なうことがある。
(6)広く一般社会に対して、また新聞、テレビ、公共広告機構などの報道、広報機関に対して、今回の件に対する謝罪広告を掲載することを要求する。
(7)アポロ広告社に関して調べたところ、「DM協会」なる同業者団体には加入しているが「プライバシーマーク」を取得していない。このような業者に業務委託してしまった貴団体の個人情報の保護に対する意識はあまりにも杜撰と判断せざるを得ない。業者選定の経緯に関しても広く一般社会に対して、また新聞、テレビ、公共広告機構などの報道、広報機関に対して報告し、今回の件に対する謝罪する義務があると考える。
私の憂慮することとしては、以下3点です。
(1)個人情報保護法をNPOが事実上違反していると考えられること。
(2)アポロ広告からの更なる情報漏洩の脅威。
(3)上記(2)に伴うストーカー行為などのリスク拡大。特に3をどこまで防止できるかは貴団体に責任が伴わないともとれるかもしれませんが、(3)を間接的に幇助したことを証明できなくても合理的に推測はできると私は考えています。この恐怖あるいは不安を払拭するための具体策を提示頂き、実行を継続する責任が貴団体にも当然ながら伴うと思います。
尚、お昼前の電話での会話内容に関しては、既に私の運営するWebサイトにて公開しておりますので、ご参照ください。このメールと、貴団体からの返信メール(が届いた場合)もそれを公開し、マスコミ各社、関連政府機関、国民生活センター等へも通告予定です。
尚、貴団体の活動を妨げる意図はないことをご承知おきください。
--
Shinji Matsuoka
sji@bekkoame.ne.jp
http://www.atopic-info.com/
http://atopic.ath.cx/
民間の悪徳企業がDMを勝手に送付するケースにはよく出くわすが、NPOからこのようなDMが発送されてしまう状態を憂慮しているのだが、まだどこも報道している気配はないのも恐ろしい気がする。もっとセキュリティ意識を持つべきであるし、個人としても、あの手この手のダイレクトメール攻勢には断固とした態度で言うべきことは強く言うべきであろう。それが如何に良心的な相手であったとしてもだ。
実はこの後、更にアポロ広告社に改めて電話で問い合わせてみた。私の要求事項は下記の通り。
私の立会いのもと、アポロ広告社のDM発送リストデータのなかの私のデータを完全削除されること 私が解釈する完全削除とは以下すべてが満たされることが必須である。(1)HDDのデータの削除。
(2)HDDにあるDBからの私のデータテーブルの削除。
(3)上記HDDを搭載しているハードウェア用のバックアップ用に運用しているフロッピーディスク、QICテープ、ストレージ装置内も含む。
(4)また、このDBにアクセス可能な端末の中のHDDも同様。
(5)イントラでWeb対応がなされている場合、全ての端末のキャッシュデータの削除。
(6)更にそのデータの完全削除を確実なものとするため、市販の消去ソフトでの削除ではなく、
ディスクそのものの物理的破壊→私のデータが入っていないDBを新品のHDDに移行
(7)更に、端末のHDDに関しても上記(6)と同様
(8)物理的に壊したディスクなどの媒体の棚卸と産業廃棄処理の最終工程までの見届け
(9)DBから抽出して再加工した宛名ラベルの紙の焼却
要はデータが格納されている媒体(HDD、テープ等)全ての削除は実質無理。どこかで妥協点をお互いが見出す必要があるが、上記を全て見届けるのに1番時間がかからないのは、既存のHDDなどは物理的に壊し、新しいHDDなどでDB再構築というのが私の要求である。更に、このときは気付かなかったが、更に要求すべきは、従業員の自宅のパソコンも上記同様の手順を踏んでもらう必要がある。更に要求するならば、このデータにアクセスできていた人間全員の記憶を消してもらいたい。これでもまだ不充分かもしれない。
と、ここまで言いたい事を言うだけ言ったのだが、実質ここまでは無理であろう。私が同じ要求をされてもやはり無理である。デジタル媒体のコピーの容易性=完全抹消の難易度が高いのだ。しかし、「消してください」「はい、消しました」「はい、そうですか。削除ありがとう」と信じるのはバカである。
実質無理であっても、データを消してくれと要求するならば、上記要求をすること、更にそれに立ち会う意思表示をする必要がある。個人のデータ1件の抹消に係わるコストだけでも膨大なものになるのだということを相手に認識させ、さらにその作業を実行させる必要性がある。(100%までとはいかないまでもだ。)
但し、こんな作業コスト、時間などたかが知れたものだ。更にのしかかってくるのは、今回の場合、国境なき医師団日本、アポロ広告社が失った信用を回復するまでのコストであろう。
今回は、自分のDM宛先データに関しての出所から上記2箇所にクレームを出したが、自分もいつ仕事場で逆の立場(クレームを受ける側)になるかわからないのだ。
アポロ広告社に対しても敢えて無理めの要求を電話で話したが、電話口で対応されていた方の対応は、予想よりも良いのかなという印象を持った。おそらく同様の対応を日夜されていると思うが、こういうクレーム対応の質、迅速さによっては、逆にその業者の印象を良くすることもありうる。
これは顧客にとっては満足や感動を得ることになり、企業にとっては、顧客に対してならば「問題を最小限に食い止めるのに成功」、顧客ではなく企業の脅威となる相手に対してならば、「傷口を大きくせずになんとか撃退に成功」ということになるだろう。
つまり、総会屋や企業ゴロ、クレームマニアなどのならず者対策として、つまり顧客ではなく企業に害を及ぼす者の言いがかりをあしらうプロならば、相手の怒りを静めることなど朝飯前だとも考えられる。もしそうであればそれはそれで企業のリスク管理体制としては合格ラインに入る。
私は明らかにこの企業の顧客ではない。彼らが私を上記ならず者という前提で今後行動するであろうということも想定して、私もそれに対抗して更に丁重に冷静に淡々と彼らを監視せねばなるまい。
しかし、疑心暗鬼になればキリがないのだが、アポロ広告社が卒業者名簿を入手した経路も追跡すべきと考えられる。それがすべての経路において正当に合法的に入手されたものであるということを、大学の卒業者名簿発行時点まで遡って潔白を証明してもらいたいものである。
なぜここまで執拗に疑いつづけるかなのだが、あの忌まわしき「人事新報社」の悪夢を今回思い出したからだ。この人事新報社に関する事件は私の場合、3~4年前に出くわしたのでよく覚えている。悪徳サーチやgoogleで「人事新報社」をキーワードに調べてみると何のことか一目瞭然である。もし、アポロ広告社が入手した名簿自体の入手経路に人事新報社が出てくれば、これはクロだろう。(但し、入手経路の何世代前までが違法なのかというのは私にはわからないが。)
いずれにせよ、両者に対してこちらの要求を内容証明郵便で出しておく必要もあるだろう。生まれてこのかた内容証明郵便は出したことはないが、この機会に勉強も兼ねてこの日記の内容から重要な優先順位の高い要求事項を絞込み、発送しておこうと思う。
はじめての内容証明というサイトなどに、わかりやすく書き方が解説されているので参考にしながら進めていきたいと思う。(面倒だけど。。。)
それと、国境なき医師団日本自体のDM自体、今回の失態がはじめてなのかも気になる。実は何年も前から同じような前科があるのではないかと思い調べてみたが、やはり数年前にも私と同じような疑問をもっている人がいるようだ。ここの1月28日とかここの12月11日などだ。2001年初頭にも同じようなことがあったということは、ずーーーっとやってて、クレームがあっても適当にやり過ごしている疑いが濃いと思われる。やはり性悪説的に見るのが正しい気がするのだ。
それと、この類のダイレクトメール(封書)や商用電子メールに関しては、発送あるいは送信者側の立場の論理としてよく使われる知っておくべきキーワードがある(らしい)。ということは、受け取り側、消費者側も彼らの言い分と実際の商行為のなかに矛盾があるかを見ぬく必要がある。重箱の隅をつっつくくらいが丁度よいかもしれない。
オプトイン(opt-in): あらかじめ受取登録したもののみを送ること。 オプトアウト(opt-out): 送信後に受け取りについて許可及び拒否を設定すること。
今回のケースでは、オプトアウトを前提に発送されたとのことだ。今後ダイレクトメールを受け取りたくない場合、拒否の手続きをすることで、業者に送信をさせないようにするということで、アポロ広告社に対する拒否の連絡は行なったが、これですべてのDMをはじくことは事実上不可能であろう。つまり
「送るな」という意思表示がない=送ってもよいという解釈が優先され、消費者は送ってほしくなければその旨通知する努力を継続しなさい。
私にしてみればその逆で、
「送ってほしい」という意思表示がない=送らないという解釈が優先され、業者は消費者から送ってほしいという意思表示があるまで絶対送らないというのが正しいと思うのだが、郵送のDMの場合、その送ってほしいという意思表示を最初に受ける手段が業者にはないので結局オプトアウトが適用されるのだそうな。。。。 ニワトリとタマゴのようで釈然としないが、そんなもんなのかなあ。 う~ん、納得できん。
それと、アポロ広告社から発送されるDMは送られなくなったとしても、他の業者からの分はどうするのか?という疑問がわいてくる。アポロ広告社曰く、
JDMA(日本ダイレクトメール協会) で、ダイレクトメール拒否の手続きをすれば、ここに加盟している企業からのダイレクトメールは届かなくなります。当社もこの団体に加入しています。との有り難いアドバイスを頂いたが、この団体に加入している企業数41社、現在までの拒否者数累計をみても、平成15年7月現在、8325名しかいない。。。更に、本当にこの団体自体がその拒否者のデータを悪用しない保証などなく(仮に組織としては無害だとしても、その組織に属する職員が全員善良な市民であるという保証はない。)本音は業界利益>個人保護という見方で様子見のほうがよいと私は考えている。(絶対鵜呑みにはしないったらしないのだ。)この機能を信じるのもよしかもしれないが、有効性に対する疑念はぬぐえるものではない。
やはり、オプトインが基本であるべきと考えるのが自然だと思うのだが。。。
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