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アトピー患者のお子さんの親御さんに思うこと

アトピー患者本人が自分の親や世間の親御さんに対して感じること(あくまで私の場合ではあるが)を少し書いておきたい。このエントリを書こうと思ったきっかけは、

彼女達が、自らの病気を自らで管理するようになった時、私たち親はどんな立場になるんだろう。どんな気持ちで彼女たちと接するのだろう…。将来の社会生活において少なからずリスクを負う事になると思うのですが、案外本人たちは親が考えてるよりも平然と受け止めてケロっとやっていくのかもしれませんけどね。

を拝読したことから、アトピー患者本人がどう感じているかも書いておきたいなと感じた。(必ずしもすべての方がそうではないのであるが。。。)

私は親にはなってはいないが、自分の中では「自分の親への嫌悪感」は今でも消えている訳ではない。「私を皮膚科に連れて行ったことは許さない。」「こんな体になる家庭に生まれたくはなかった」など、親御さんから見れば理不尽かつ一番言われたくないであろうことを20代の後半まで正直何度も親に言ったものだ。(通常の健康なお子さんが通る反抗期よりは一筋縄ではいかない事態に直面する可能性はゼロではないでしょう。ひょっとしたらアトピーのお子さんを持つ親御さんの中にもこのような事態に出くわす機会が今後あるのかもしれません。)

「これがあなたのお子さんが将来直面するであろう現実の姿ですよ」とは言えないし、ひょっとしたらがっかりされるかもしれない。お子さんが現在幼少期、思春期、二十代なのかなどの年齢層、既婚か未婚か、学生か社会人か、果てはその個人の性格や立場により感じ方は違うであろうし、私のケースは全く参考にはならないかもしれないが。。。。

今は実家に帰ったときにそれを露骨に口に出すことはしないようにはしている。しかし、それは「そろそろ年だしなあ」という親に配慮するためというよりも、「自分が消耗するのを回避するため」という理由からである。もし口に出そうものなら、決まって

「だいぶようなったんやからそんな話もうええやん。

というのがウチの実家の両親である。おそらく一般の方の感覚も「たかがアトピーくらいで」と感じられている方のほうが多いかもしれない。

現状の安堵感が延々続くものなのだと思い込んでいる、或いは続いてほしいという希望的観測、願望の裏返しなのか、もうそんな過去を蒸し返さないでくれと私に言いたいのかは私にはわからないが、親にこの台詞を言わせてしまうと、そこから先は延々の口論が勃発する。そう、起爆装置のようなものだ。少々自分本位で乱暴ではあるのだが、こうなる前に最近は以下のことを10秒くらい考えるようにして、如何にその起爆装置に指が触れないように持っていくか?を考えるようにしている。

映画、「バックトゥザフューチャー」で、「Chicken(チキン:腰抜けのスラング)」とマーティ扮するマイケル・J・フォックスがからかわれた時にそれを制御できずに挑発に乗ってしまうシーンがあったと思うが、あの時の状況を避けるのに近いものがあるのかもしれない。

  1. 今は良くてもいつ体調が悪くなるかはわからない。
  2. 延々この病気と向き合うのは私本人であるという現実は何も変わらない。
  3. 代われるものなら代わってやりたい。という気持ちはありがたく受け止めておこう。(昔はこの言葉を聞いただけで、「そんなこと口にするんは誰でもできるんや。できもせんことを軽はずみに言うな。」と、くってかかったものです。)
  4. しかし、親にこの苦痛を肩代わりさせるのは無理。(仮に肩代わりさせることができたところで自分が楽になるわけではない。)
  5. 親とは自分という固体とは違い、他人の始まりである。
  6. 順当にいけば親は先に死ぬ。それまでは好きに言わせておけばよい。(それを聞かなければよい。あるいはその機会を少なくすれば良い。)
  7. その後も嫌でも自分で生き抜かねばならない。それだけだ。

親にならねば親の苦労はわからない。確かに真実であろうし、人類が誕生してからそれはずっとそうなのであろう。我々患者は親になるならないに関わらず、患者であることで背負う苦労も同じく存在するが、それと親が抱える苦労を比較することには何の意味もないのではあるが。。。。複雑な気持ちである。

「許してやる。但し忘れない。」というあたりで自分自身には折り合いをつけているような感じだ。
(親が悪い訳ではなく、誰が悪いと断言できるものではなく、アトピーという不快な病態、そこから派生する精神的な苦痛、説明しきれない周囲のプレッシャーそのものが忌むべき状況なのではあるが。。。。。。。)これが正しいのかはわからない。むしろ常識的見解では正しくないのだろう。

日常の生活シーンでもこれに出くわさずに生きていくのは難しい。真正面から「おまえは間違っている」と言われたら、人間誰もがそれには反発するか、関わりを持ちたくなくなるものではあるが、そのような気持ちが延々燻っているのを爆発させずに自分自身を如何にコントロールするのか?というのも難しいものである。特に患者どうしでもそうならないようにしたいものではあるが、気づかないところで自分もそれをやってしまって迷惑をかけてしまっていることもある。

私の場合は大人になりきれていない駄々っ子のまま36歳になってしまい、今でも私の心の中にもまだまだ病んだ部分が多くを支配しているんだろうなと思う今日この頃である。こんな思いは我々の世代で終わらせたい。それも生きているうちに。(生き急ぎすぎ、関西弁でいうところの「いらち」標準語では「せっかち」かもしれないが。。。。)

多くのアトピッ子には私のようなひねくれた不良中年にならないように少しでも心優しく穏やかに健やかに育って欲しいものだ。

[2004/9/1追記]
当エントリにコメントを頂いたのもありますし、せっかくなので親御さんの立場として切実なる状況がわかるエントリを下記に2つご紹介。こちらもぜひ一般の方にはお読み頂きたい。

私は下記リンク先で紹介されているエントリが書かれる発端になったであろう毎日新聞の記事を読んだ時に、私の場合は「手放しにはその通りだとは思いたくない。」という思いが先走るのが正直なところなのです。この感覚は、おそらく一般の親御さんや「大人」の方々には理解いただけないところなのだと感じてはいますが、そんな悪魔のような私でも、下記blogでかかれている方のお気持ちは分からないわけではありません。

ぜひお読み頂き、一般の方もアトピーとは何者なのかということに思いをはせて頂きたい。

アトピー以外の方に知っていただきたいですし、アトピー患者やそのご家族の方々にも理解していただきたい。 軽い症状のアトピッ子もその親にすれば最大限の悩み! 重症のアトピッ子の親もその親にすれば最大限の悩み! それを物理的に比べても意味がないと思いませんか? アトピーだけでも十分悩んで辛い思いをしていますので、それ以外の心情にかかわる部分は皆でいたわり合いましょうよ。
とかく、アトピー児の母は、神経質だとか、そのせいで子供が治らないんだとか、 根拠のないひどいことを言われるものです。 (中には、医者までが言ったりもするようです。)

でもだったら、母が大らかだったら治るのか?
楽天的に、ポジティブに、笑って暮らしていればアトピー自らメキメキと治っていくのか?
と言えば、そんなことはまずないでしょうね。
たしかに、上記のことはアトピー児にとって、良い影響をもたらすので心がけたいものですが。

大体、健康な子を育てるのだって、ほんと大変なことですよね。
熱が出た、怪我をした、言葉が遅い、食が細い・・などなど、心配するでしょ?
そんな心配が、慢性疾患(アトピー)というだけで、毎日、24時間続くわけですよ。
それに、アトピーって風邪なんかはと違って、薬を飲んで寝ていればなんとかなる病気ではないんです。
ましてや、原因も症状もひとりひとり違うときたら、ほんと毎日試行錯誤・一喜一憂の繰り返し。
そりゃ、神経質にもなるってもんです。

それなのに、わかった顔して、批判的な人が多いのでほんと困ります。

「わかった顔して」いる人間に私が含まれていないことを祈りつつ(含まれていても仕方ないが。。。)、これにはお返しする言葉は見つかりません。全くその通りだからです。これとは逆に、 uzaone日記:疲れるを見たときは絶句というか、ほんと落ち込みました。さすがにここにはトラックバックは怖くて送信できなかったです。

ともあれこのように過度に干渉なく関連記事が繋がっていくのはblogの醍醐味であると思います。それと、表層的ではあるのですが、現状は両親に対しては普通にふるまうようにできるようにはなっています。仮面仲良し親子という感じだろうな。

Comments:8

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mimcot 2004年9月 1日 00:19

 私の彼女もアトピー持ち。脱ステして最悪の状態からは抜けましたが、良くなったり悪くなったり・・。放っておくと、いつも体をかきむしってます。
 ただ、1ヶ月ほど前、お付き合い4年にして初めて彼女の父親と会った際、彼女の父がこちらに、こんな事を話してくれました。

「自慢の娘なんだ。よろしくたのむ。ただ、肌だけはかわいそうで、申し訳なくて・・。」

 彼女の父さんもなかなか辛そうでしたよ。

 言われてみれば彼女も決して父親の事を良く言わない人ですけど、自分の肌の事で親を責めたりしていないのは本人にも、親に取っても救いなのかも知れませんね。

なお。 2004年9月 1日 09:44

考え込んでしまいました。
もし仮に、子供が大きくなった時にアトピーのことで、私たち親が責められる日がやってくるとして、今どうするのがベストなのか?
少なくとも、たかがアトピーとは思っていないのですが、それでも恨まれる時がやってくるのならどうしたらいいのか・・?

>我々患者は親になるならないに関わらず、患者であることで背負う苦労も同じく存在するが、それと親が抱える苦労を比較することには何の意味もないのではあるが。。。

たしかに。
あるのは、両者の人生において延々と続く、現実のみですね。

matsuoka 2004年9月 1日 10:14

親御さんの視点からでは「子供のために日々一生懸命やれることをしてあげてるのに。。。。それでも子供から責められることなんて受け入れられない。」といったところでしょうが、こういうこともあるんだ、くらいのレベルで頭の片隅にでも可能性として知ってておいていただきたいのです。

アトピーが怖い病気ではなくなるのか、アトピーの人にとっても生きやすい環境になれば、そんなことはないのだろうなとは思いますが、たぶん現状はベストな解はないのではないかなと思います。

「誰も親として子供を育てるという大事業を最初から経験しているわけではない。」ということだけはアトピーの子を育てているか否かに関わらず共通なのだとは私も思います。

漠とした不安というものは誰にでもあることですが、正直私にもあります。例えば、私に子供がいたとしたら、同じように10年後に責められたらと考えると、今でも怖くて結婚はおろか、家庭を持つ自信すら持てません。

お母さんの苦労話はお母さんの主観に基づいてblogで書ける。そして、それはたくさんの大人からは「うん、うん」「なるほど」と理解を得ることはある程度(読まれた直後くらいは)可能で、それがストレス解消にもなるのだと思います。(この環境というのはお母さんにとっては心強いでしょうし、それは悪いことだとは思いません。)

片や、子供さん本人は、現状どうか?技術的にはそれもたぶん可能なところまできているが、思春期以降、或いは青年層以降に達していなければ、今自分が思っている状況や不満を書いたりする「安全な場」手段、環境はまだまだ少ない。
私も36のいい年をこいたおっさんではありますが、子供にとってはこれはフェアではないと感じる、ということだけなんです。

辛いテーマではあります。。。。
誰が正しい、間違ってるという種類のものではないですが。。。。

なお。 2004年9月 2日 21:43

トラバ、していただいてたんですね。
改めて読み返したら、なんだかやけにトゲトゲしたエントリーだなと反省。(・・ちょっぴりだけど。)
「わかった顔してる人」の件、matsuokaさんは全然違いますから!
無知ゆえに(そう思いたい)今まで私たち親子に、数々の悲しい思いをさせて下さった方々のことですから。

matsuoka 2004年9月 3日 16:52

実生活は実際トゲトゲしたものです。本人にとっても親にとっても切実なのは共通ですし。。。

この話題に関しては、実は7~8年前、当サイトの掲示板でもにフレームになってしまって引っ込みがつかなかったことがありますが、(探せばたぶんデータも残っている。)

あの頃のテキストコミュニケーションと、blog間でのトラックバックやコメントでは変化があるかなと感じながら今回のエントリを恐る恐る書いていたのでした。

情報技術や通信網が発展しても、実際はお互い顔を合わせてコンセンサスを模索することが王道の話題なのですが。。。。

10年後、46歳の私が
「子供の立場で言いたいことが言える環境がない中で、親だけ言いたいことだけ言うなや~」と同じことをここでまだブツブツ言っていない世の中になっていてほしいもんです。。。。

ぴょんた 2004年9月 3日 21:51

はじめまして。
私は脱ステ8年目の独身の♀です。

ちょっと本題と話がズレますが、松岡さんが「uzaone日記、疲れる」を読んで落ち込むと言うのは、どうしてかな?と疑問に思いました。

私は結婚生活の経験はありませんが、この日記では、旦那さんがアトピーであることがこの女性にとって、一番の問題ではないような気がします・・・(私見にすぎませんが)

アトピーとは無縁のカップルでも、夫に一方的に「ベッドインもしてくれる家政婦」扱いをされて、妻のする家事にねぎらいの言葉もかけてくれないことに、不満を持っている女性を、結構知っています。この日記のお二人も、その辺が問題な気がします。

アトピーを異性に受け入れてもらえるか、というのは私にとってもすごく自信のない問題ですが・・・。

でも少なくとも、この日記を読んで、自分もアトピーだから、と松岡さんが落ち込む必要はないんじゃないかな?と私は思いますよ。

亭主関白みたいな姿勢を取る男性とは、たぶん私は結婚できないと思います。でもアトピーを受け入れてくれる人で、お互いに話し合う姿勢があり、妻を一方的に家政婦・親役にしない人と出会えたら・・・と私もミソジですが、結婚への希望は捨てたくない、と思っています。

matsuoka 2004年9月 3日 22:42

ぴょんた様
私は逆に旦那さんの置かれた境遇を考えると怖くなってしまいました。外に出れば唯でさえ知らない人からも奇異の目で見られるし、好きでアトピーになった訳ではないのに、おうちに帰っても嫁さんからボロクソ言われるのは旦那さんがわるいんではなく、「アトピーという病気が悪いのに」という感じです。もちろん、そんなことは承知で日記に書かれているのだろうなとも思うのでよけいに落ち込んだということです。
正直なところ男としては旦那さんを応援したいですが、すみません、これ以上はやはりコメントできないです。他人様(ましてや偶然見つけてしまった知らない方)のご家庭のことですので私にはとやかくコメントする権利などないです。

ぴょんた 2004年9月18日 00:08

松岡さま

少し日が経ってしまいましたが、9月3日の私のコメントは、ちょっとぶしつけだったと思いました。同性どうしならともかく、初対面の男性に、後半部分の話は、失礼だったと思います。

それと、他のサイトのことを、引き合いに出したことと、合わせてごめんなさい。

私はアトピー以外に、家族関係、イジメなどの問題で、心の問題を持っているAC(アダルト・チャイルド)だと自認している者です。

夫婦間の問題を含めて、家族問題で、頭がいっぱいなので、このようなコメントを、ついしてしまいました。

*今月の分は聞き逃してしまいましたが、ラジオ番組(ラジオでは聴けませんが)、楽しみにしています。同じ患者の目線でのお話は、とても貴重だと思います。

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