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女王の教室:阿久津真矢先生の孤高さ・プロ意識が形成されるまで

  • Posted by: mastuoka
  • 2006年3月21日 18:06
  • その他
普段ドラマは見ないけど、昨年、悪魔のような鬼教師という圧倒的なインパクトで始まった女王の教室は例外で、毎回食い入るように見てしまっていました。そしてそのスペシャルが先日放送されましたが、昨年の本編が素晴らしかったので今回も見てしまいました。

2006年3月17日と18日に放送された女王の教室-エピソード1「堕天使」、女王の教室-エピソード2「悪魔降臨」では、スラムダンクの安西先生が鬼から仏になったのとは逆に、阿久津先生は教師として成長するに従い鬼教師となる決意を固めていきます。 昨年放送された本編の第1話で阿久津真矢先生が鬼教師として登場するシーンに繋がるように、この直前までの過去のいきさつが放送されたのでした。本編での数々の名台詞が誕生するに至るまでのさまざまな伏線やいきさつ、ボールペンなどの重要な小物にまで、非常に凝ったストーリー展開でした。

昨年の本編放送時は3話くらいから録画しはじめましたが、再度1話から通しで見たい作品です。普段ドラマを見た如きでは私は泣くことがないのですが、このドラマでは例外でした。このエピソード1・エピソード2を見たあとに、 再度この本編を見ると、「いいかげん目覚めなさい」「イメージできる?」などの数々の名台詞が如何にして生まれてきて、真矢の正論に力強さを持たせてきたかなど、更にこのドラマの奥深さをもっともっと味わえます。

本編では、第1回から最終回まで、一貫して教え子にこれでもかというくらいの世の中の不公平、理不尽な現実を突きつけながらも

  • 「理想・信念を貫くことの難しさと大切さ」
  • 「困難な問題に立ち向かう大切さ」
  • 「今を真剣勝負で生き抜く大切さ」
  • 「感性を研ぎ澄ます大切さ」

などなど、真矢自身がもっともこれらを大切にしていることは回を追うごとに(ドラマ中のクラスの子供たち、視聴者には)だんだん分かってくるようになります。特に本編最終回の以下のシーンの阿久津先生の台詞に、上記4点が凝縮されています。

いい加減目覚めなさい。人生に不安があるのは当たり前です。大事なのは、そのせいで自信を失ったり、根も葉もない噂に乗ったり、人を傷つけたりしないことです。例えば、人間は死んだらどうなるかなんて誰にもわからない。言うとおりにすれば天国に行けるとか、逆らえば地獄に落ちるとか言う人がいますが、あんなものは出鱈目です。誰も行った事がないのにどうしてわかるんですか?わからないものを、わかったような顔をして、無理に納得する必要なんかないんです。それより、今をもっと見つめなさい。イメージできる?私達の周りには、美しいものがいっぱいあふれているの。夜空には無数の星が輝いているし、すぐ傍には、小さな蝶が懸命に飛んでいるかもしれない。街に出れば、初めて耳にするような音楽が流れていたり、素敵な人に出会えるかもしれない。普段何気なく見ている景色の中にも、時の移り変わりで、はっと驚くようなことがいっぱいあるんです。そういう大切なものを、しっかり目を開いて見なさい。耳をすまして聞きなさい。全身で、感じなさい。それが生きているということです。

(ここで教頭、同僚の先生に「出てってください」「お願いだから言うとおりにしてください」と制止されるが)

今はまだ、具体的な目標がないのなら、とにかく勉強しなさい。12歳の今でしかできないことを一生懸命やりなさい。そして、中学に行きなさい。

(「いいかげんにしてください先生」「これ以上子供達を混乱させないでください」と更に同僚教師に制止されるが)

ちょっと待ってください!
中学に行っても、高校に行っても、今しかできないことはいっぱいあるんです。それをちゃんとやらずに、将来のことばかりを気にするのはやめなさい。そんなことばかりしていると、何時まで経っても何にも気付いたりしません。

このシーンの阿久津先生の迫力には何度見直しても圧倒され、感動します。
他にも本編最終回で、心労で倒れて入院し、気がついたときに見舞いに来た同僚教師とのやりとり

  • みんなに言っちゃいけませんか?あなたが子供達のことを何より大切に思っている素晴らしい教師だって。このままだと、本当に学校にいられなくなりますよ。
  • 私は、自分が素晴らしい教師だなんて、一度も思ったことはありません。どんな教師を素晴らしい教師というのかさえ、まだわかりません。

「言ったはずです。私は今までのやりかたを変えるつもりはございません。」ときっぱり言いきる真矢先生が、それでも上記謙虚な台詞を言うこと、(いい先生か否かという基準など関係なく、むしろそれは完全に切り離して)常に「これでいいのだろうか?」と思いながら誰よりも真剣に仕事をしているというのは本編でも十分伝わってはきていたのですが、今回のスペシャルを見ると、最終回のこのシーンの重みを更に深く感じ取ることができました。

そして、その真意が今誰にも(特に同僚教師や教え子の親)分かってもらえなくても

  • 「私は公立でしか教える気はありません」
  • 「子供達に、学力や貧富の差がある難しい環境だからこそ、やりがいがあるとは思わないんですか皆さん?」
  • 「これが教師の仕事ですから」
と言ってのける真矢自身が持つやりがい、職業観、プロ意識にも感動するシーンが随所にあります。

特に、本編最終回で阿久津真矢(天海祐希)が小学校を去る(再教育センターに赴く?)シーンの、原沙知枝扮する後輩女教師とのやりとり

  • 阿久津先生、いったいこれからどうされるんですか?
  • 言ったでしょ。私はどんなことがあっても教師を辞めるつもりはありません。
  • 先生はなんで、そんなに頑張れるんですか?なんでそんなに教師が好きなのですか?
  • 教育は奇跡を起こせるからです。子供達は成長していく中で、私達が予想する以上に素晴らしい奇跡を起こします。
  • いい先生と思われるかどうかなんて、どうでもいいことですよね。そんなことは、10年後か20年後に子供達が決めることですし。
  • あなたも少しは、教師らしくなったみたい。

「教育は奇跡を起こせるからです。子供達は成長していく中で、私達が予想する以上に素晴らしい奇跡を起こします。」と答えますが、この言葉にこそ真の重みがあり、真矢の教え子に対する誰よりも強く深い愛情、教育に携わる者が獲得していくべき誇りを感じました。

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本編最終回の最後の最後に、振り返りざまに最高の笑顔になっていく天海祐希の演技にも、とても魅力を感じました。

参考:
YOMIURI ONLINE:女王の教室 鬼教師に反響3万5000件 成績至上主義、徹底した管理 脚本家 「話は変えない」
↑脚本家が真矢の台詞に込めた思いを記した記事
YOMIURI ONLINE:なぜ鬼教師になったのか? 女王の教室 スペシャルドラマで復活
Wikipedia:女王の教室

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