- 2008年1月13日 23:36
- アトピー
大阪の学校制服メーカーが、アトピー性皮膚炎に悩む生徒の負担軽減に取り組んでいる。洗濯の便利な着脱式裏地の取り付けや、襟(えり)周りの芯地を抜くなど工夫。患者の会との連携も始めており、「制服は学生時代の思い出をつくる大事なアイテム。少しでも気持ちよく制服を着てほしい」と話している。
アトピー性皮膚炎向け制服作りに取り組んでいるのは、大阪市中央区のユニホームメーカーの「チクマ」。
制服は、汗を吸収しにくい化繊素材を使用▽洗濯しにくく不潔になりがち▽スラックスやスカートは毛足の長いウール製が多い▽シャツにはアイロン掛けが楽なよう袖口や襟に堅い芯が入っている-などの刺激要素でアトピー性皮膚炎が悪化するケースも多い。
そのため、同社ではアトピー性皮膚炎の生徒の保護者や、現場の教師から制服の悩みを相談され、約10年前から対応を本格化した。
ウール地や硬い縫い目が直接肌に当たらないよう裏地を作製し、洗濯も容易にできるよう着脱式にした。また、直接肌に触れるシャツは特殊な低刺激の素材へ変更したうえ袖口の襟周りの芯を抜いたり、縫い目を別の布でくるむなど改良。タグも印刷に変え、外見ではわからない工夫を凝らしている。
最近、アトピー性皮膚炎などアレルギー疾患で悩む子供たちが急増。そのため文部科学省は2006年度の学校保健統計調査で初めて独立項目としてアトピー性皮膚炎を調査。小学生は3・6%、中学生で2・8%、高校生2・2%がアトピー性皮膚炎になっていることが明らかになっている。
チクマでも年々相談件数が増加しており、当事者の意見を取り入れたいと昨年11月からは、アトピー患者で作る「アトピー的自由計画」(事務局・大阪市福島区)との連携をはじめた。アトピー的自由計画代表の高山哲是さん(31)さんは、「情報発信の場を与えてくれるのはありがたい。お互いに情報を共有しながら、いいものを作っていきたい」と協力的だ。 同社企画課の西弘樹さん(38)は「子供さんにとっても、親にとってもアトピー性皮膚炎の悩みは深刻。製造メーカーとして、どの子供さんにも制服に楽しい思い出をもってほしい。そのための努力を今後も続けたい」と話している。
チクマさんの制服に対する取組に関しては記事の通りで可もなく不可もない記事内容です。しかし、口をすっぱくして言っている、また私たちが最も重視していることは記事にはなっていません。何が問題かといいますと、
「情報発信の場を与えてくれるのはありがたい。お互いに情報を共有しながら、いいものを作っていきたい」
これだと「アトピー的自由計画は、メーカーの製品開発に協力します」というミスリードを招きかねないことです。「いいものを作っていきたい」の「もの」とは、「製品」「制服」と一般の人は捉えるのではないでしょうか?記者の言葉のマジックなのか、文脈をどうとでもとれる内容であり、これはとても残念な記事となりました。前後に言っている大切な言葉や真意を聞き逃している、または書き忘れているか、削除していませんか>記者さん。(以前の産経新聞の記事(これは既に産経サイトからは見えない。産経に限らずなんで新聞業界はいっつも過去記事を消すのか。。)からの続きの構成上、その続きとして今回の記事構成になってしまうのも仕方ないなあということもわからないではないのですが、それにしてもちょっとなあという思いが。。。個人的にはアサヒる捏造朝日よりはまともなのでもともと産経は好きですが。。。産経がアサヒったらだめでしょう。)
上記太字部分なのですが、一般のメーカーとしては製品開発や市場戦略では以下二点があると思いますが、
(1)アトピー市場にはこういう製品が患者の心をつかんで売れるだろうという仮説のもとに製品を開発して市場に投入するプロダクトアウト
(2)患者の抱える課題・ニーズを満たす製品を作るマーケットイン
(3)量産では対応できないオーダーメイド型対応や改造など、個別対応の試行錯誤の継続
私たちは上記(1)(2)にはアトピー当事者としてのニーズをくれてやるとは言っておりません。つまり、これには共有する意思はなしです。
重要なのは(3)です。(3)に関しては、記事中最後に出てくるチクマ 西さんが業務の中で取り組まれていることは、私たちが患者の立場で工夫情報を集めて分類していたことと共通の思いがあり、これは企業として直接の売り上げに貢献していることがすぐには見えなくとも評価できるということで、こういう情報と、私たちの取り組みからみえてきた情報で、一般の方やメーカーの方にも知っておいてほしいことは共有したいということです。もし、企業として今後も一般の方にもアトピー患者にも優しい制服が生産、販売されるのなら、それが他社からも供給されるきっかけとしても、この取組は多くの方に共有されることは有意義と思うからです。
さらに、私たちが「共有したい」ことと言っているのは下記二点です。
・アトピー当事者の抱える問題にはどんなものがあるか?
(体の部位と現れる症状それぞれにどんな問題が発生し、それが生活のどの場面に影響を及ぼすか?)
・それを被服で自力で工夫していること(解決できていることと、それに至る理由)
(新しい製品を求めるよりもむしろ、既存で流通しているものの使い分けや組み合わせで乗り切る項目が殆ど。それには「なぜ?」という理由があり、一般の方には見えないが当事者には当たり前のものがある。これが重要。)
記事にはなっておりませんが、上記二点を共有したいという観点で、チクマさん主催のセミナーで、アトピー的自由計画として講演させていただいております。受講対象は、チクマさんから見ると、顧客となる学校の先生など教育関係者です。
参考:
第3回 服から見えるアトピーのこと/ 子どもたちを「守る」色の力 服育ラボ定期セミナーレポート
これをヒントに、生産、流通に携わるメーカーや販売店が新製品の開発は販売に取り組まれるならご自由にどうぞ。ただし、アトピー患者向けの新製品を作られたとしても、それを私たちが「これが絶対にいいよ」と勧めることはないですよと。なぜなら、一人の患者とて、体調は日々刻々と変化し、単一の製品ですべてが賄える訳ではないからです。
一方、もし当事者が当たり前のように生活の場面で無意識にやっている上記なにげない工夫や知恵が、製品開発や販売における小売の患者への商品の選択肢を増やすことに正当に活かされるならば、それはメーカーにとっても当事者にとってもWin &
Winとなりますが、このようなあるべき姿は、アトピー当事者がボランティアで協力するのではなく、一般の人と同じく働く機会を得る、つまり雇用にもつながることにもなりますが、単なる広告塔の患者と成り下がらず、アトピー患者が胸を張ってまっとうに働ける環境を獲得するという理想像を描き示すのは茨の道だとも思っています。
しかし、記事の内容ではこういう見通しも決してイメージはできないでしょうし、ましてやこれを私たちが伝えようとしても唐突過ぎて伝わるとは思えない難しい部分もありますが。。。
こういう真意をきちっと含んだ上で、チクマさんに協力しているのだという意味で、記事の文言とするなら、「いいものを作っていきたい」の、私たちが言いたい「いいもの」ということの意味の重みを記者にはもっと的確に伝わる説明を入れてほしかった、またはそれがわかるように前後に埋め込んでもらう必要があったと思います。
「いいもの=製品」と軽く連想・ミスリードされることは、私たちにとっては「メーカーの広告塔に成り下がる」ことであり、これは本意ではなく、心外であり、むしろ非常に屈辱的であります。
「いいものを作っていきたい」に該当するのは何なのか?このblogを読まれている方にも真剣に考えて頂きたいと思います。また、私たちは、メディアに取り上げられたのでよかったよかったと単に悦に入っているだけでは愚の骨頂であり、そうならばそれはとても恥ずかしいことです。私たち自身が真意の伝え方をどうするかにも細心の注意を払う必要が要ることも改めて認識させられた記事でした。
また、この記事中で、チクマさんというメーカーと、アトピー的自由計画という患者の「連携」とは何か?ということもさっぱりわからないようになっています。これも大問題です。余計にメーカーの製品開発に協力する患者の広告塔のイメージのみが先行するようで、この記事を熟読すればするほど、11月のセミナーで手伝ってきたことは何だったのか?と感じてきます。この日、産経新聞社の記者が来られていたときに何を聞かれ、どう受け答えしていたかも私もきちんと対応しておけばよかったとも感じました。これでは危うすぎです。
と、記事に関してグダグダいいましたが、今回の記事内容に物足りないと文句を言ってても仕方ないので、アトピー患者の感じている真意を自身の言葉で伝える努力を怠ってはならないなと感じました。意図しない内容だった場合は今回のように自らのスタンスを明確に補足するにはblogはうってつけですし。
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