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塩野義製薬への疑惑:得意技のディスインフォーメーション作戦か?

『リンデロンに異物混入』という新聞記事情報を探していただきました。 Kさん、Tさん、情報ありがとうございます。その記事は以下のものです。

塩野義製薬が薬品自主回収 皮膚炎用の塗り薬9種類に化学物質が混入/大阪

96.05.09 大阪読売朝刊26頁(全157字)
 塩野義製薬(本社・大阪市)が製造・販売している「リンデロン―DP軟膏(なんこう)」など湿しんや皮膚炎用の塗り薬九種類に化学物質DBDPE(デカブロモジフェニルエーテル)が混入していたことがわかり、同社は八日、回収を始めた。病院など全国約五万三千か所に約七百六十二万本を出荷しているが、薬局での一般販売はしていない。

メーカーに電話で問い合わせると

 メーカーの本社(代表:06-202-2161)に電話で問い合わせてみました。
(1996/06/24.15:30頃)女性が最初に出られました。

「リンデロンに関してお尋ねしたいことがあるのですが」

と切り出しました。

「担当の者に代わります」

と返事があり、しばらくして

「消費者(患者)の方ですか?」

と担当の男性の方の声が返ってきました。

「はい」

と僕が答えました。以下、僕(松岡とします)とこの担当者(担当とします)の方の会話です。

  • 松岡:
    アトピー患者なのですが、リンデロンについて教えて頂きたいのですが、最近、薬局でリンデロンが入手できなくなっていますが、もう販売されていないのでしょうか?

  • 担当:
    リンデロンVGはもう2年前の平成4年(注意:2年前なら平成6年のはずなので、この会話でははっきりした年はわからない。電話を切ってからおかしいなと思った。)に既に薬局からは一般には入手できないようになっています。

  • 松岡:
    お医者さんの処方がないと使えないということですね?

  • 担当:
    そうです。

  • 松岡:
    昔は一般の薬局で普通に購入できていたのに、なぜ販売停止になったのですか?

  • 担当:
    女性が口紅を塗る前にリンデロンVG軟膏を塗るというような好ましくない使われ方が過去にありまして、自主的に薬局での一般販売はしないことになったんです。

  • 松岡:
    最近の新聞でたまたまリンデロンに異物混入という記事を読んだのですが、これとは関係ないんでしょうか?

  • 担当:
    ああ、これはリンデロンDPという薬で、リンデロンはリンデロンでも、別の薬です。これはもともと一般薬局では販売されておりません。今回の回収は、あくまでもリンデロンDPの生産ラインで問題があった訳で、リンデロンVGの過去の販売停止のお話とは無関係です。

  • 松岡:
    そうですか。わかりました。では、リンデロンDPは新聞では薬局での一般販売はしていないというように書かれていましたが、 これはずっとお医者さんの処方がないと入手できないということですね?

  • 担当:
    そうです。つまり、現在は既にリンデロンVGとリンデロンDPは両方とも一般薬局では入手できないようになっています。

  • 松岡:
    アトピー患者のステロイド使用による副作用が問題になっていて、リンデロンを生産するのをやめられたのかと僕は思っていたのですが?

  • 担当:
    それは違います。全く関係ありません。通常通り、お医者さんに処方されたら使えます。

  • 松岡:
    そうですか。どうもありがとうございました。

  • 担当:
    ありがとうございました。


僕が持った疑惑

まず、上の会話を整理してみましょう。
メーカーのコメント
  1. 現在はリンデロンVGもリンデロンDPも、一般薬局では入手できない。入手するには医師の処方が必要になっている。
  2. リンデロンVGが過去に好ましくない使われ方が問題になり、自主的に販売停止とした。
  3. つまり、リンデロンDPの生産ラインでの異物混入による96年5月の回収は、リンデロンVGの過去の販売停止のいきさつとは無関係である。
メーカーのコメントから浮かぶ疑惑
一般患者を装ってありきたりの問い合わせをしたので、ありきたりのコメントしか出てこないかなと思いましたが、この会話の中で、メーカーの担当の方はドジをふまれたようです。担当者の部署・名前もついでに聞けなかったのが残念ですが、僕の思惑通りの返事でした。まず、この上の3つを全部裏返して解釈すると、
  1. リンデロンVGもリンデロンDPも、入手するには医師の処方が必要になっているというのは、裏返せば、副作用が起きても、医者が処方したものなので、メーカーの製造物責任は免れられるという体制にリンデロンVGもリンデロンDPの両方を対象の薬にしたことになります。薬害が起きても、このメーカーは責任逃れがたやすくなったということです。(僕から言わせれば、リンデロンVGが販売停止になった時期はあんまり重要ではありません。)

  2. この好ましくない使われ方にアトピー患者のステロイドの常用は含まれて言及されてはいませんでした。ここで重要なのは、仮にアトピー患者が常用しても、メーカーから言わせれば、「お医者さんの指導が悪い」またはお医者さんに言わせれば「患者がダラダラ使うからだ」ということにして、製薬メーカーの責任逃れをよりしやすい体制に持っていったにすぎないということです。本当は、口紅云々以前に、アトピー患者のステロイドの常用による副作用のほうが問題であるが、これを話題にはせず、巧妙にすりかえた説明のしかたです。さすがだなと思いました。

  3. これは拡大解釈になるかもしれませんが、なぜこの記事が新聞に出たかを考えてみましょう。僕がもし製薬会社の経営者だったら、そして責任逃れをしたいと思ったらこういう絵図を描きます。以下は僕の想像ですが、充分ありうるシナリオだと思います。

    1. 薬害エイズの次に出てくるのはアトピーのステロイドの副作用だな。
    2. この問題が本格的に騒がれ出したら、薬害エイズの保障人数どころじゃなくなる。何100万人単位への責任が伴うぞ。
    3. その前に逃げ切る体制を作らなければ。
    4. よし、わざとリンデロンDPに異物を入れて自社製品の不祥事をでっちあげてやろう。
    5. マスコミにリークしよう。あいつらはすぐ飛びつくだろうな。
    6. 騒ぎ出す人間の大半はどうせリンデロンのDPもVGも同じだと思ってやがる。過去のVGの販売停止と重ねて騒ぎ出すだろう。
    7. DPは最初から一般薬局での販売はしてないから大丈夫だ。
    8. 患者等から問い合わせが来たら、VGはもうずっと前から一般薬局での販売はしてないとアピールできる。
    9. つまり両方ともウチでは一般薬局での販売はしてないことをアピールすることで、今後ステロイド薬害訴訟が起きてもウチは負けることはないぞ。全部他の製薬メーカーや医者に責任をなすりつけてオレ達は生き残れる。将来生産停止にするときにも大義名文ができて一石二鳥だ。やったぜ。
 こういうことを必死に考えていらっしゃるのかもしれません。この想像が当たってほしくはないですが、僕は性悪説的にに世の中を見ています。他の製薬会社や厚生省、医者もおそらく心理状態ややり方は違ってもこれとほとんど同じようなことを考えていることでしょう。もしこういった情報操作をされているのなら、一般はごまかせても、僕は許しません。いずれはっきりする時が来るでしょう。しかし、その後にも、リバウンド症状に苦しむ患者さんが今以上にたくさん増え、結局患者自身の肉体的精神的屈辱、苦痛が消えることはありません。