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ある内科の先生とのやりとり

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このコーナーでは、僕がホームページを作ってから、アトピーの治療をされている医療現場の先生とのやりとりを収録しています。僕と先生とのやりとりの文脈の裏側から見えてくる実態を読者の方ご自身で考えてみてください。

僕の発言も、先生の発言も鵜呑みにせずに、読者の方々自身客観的に読んでいけば、おのずから

1.それぞれの主張している点、
2.共通の認識、僕の感情、先生の感情、
3.このやりとりのあった当時の双方の認識の違い

などが見えてくると思います。

文中にかっこ書きで『注意:』として書いているものは、今(96年3月)とこのメールのやりとりのあった時期の僕自身の認識の違いがあるので修正としてお読みください。

皮膚科の先生とのやりとりもあります。


ある内科の先生とのやりとり

SHINJI MATSUOKA 様
ご質問ありがとうございました。
ご質問の内容についてお答えいたします。

>あなたのコメント読ませていただきました。
>僕には、アトピー患者として常々どうしても
>納得いかぬ疑問があります。なぜステロイド
>の治療の限界を医者は認めないのか?

もちろんステロイド治療には限界があります。

アトピー性皮膚炎の原因は、人間の免疫異常です。
免疫をコントロールするには、様々な治療があります。
その一部がステロイド治療とお考えください。

当院の名前からわかられると思いますが、私は、内科専門医です。
専門は、膠原病、白血病、甲状腺の免疫治療です。
アレルギー疾患は、免疫病のごく一部です。
したがって、アトピー性皮膚炎に対しても免疫機能全体に対する治療を行っています。

>リバウンド症状を克服
>さえできれば完治するはずです。
>「いい結果」とは何ですか?完治でなければ
>意味がありません。「絶対治る」と言えないなら
>治せないと同じです。ビジネスの世界では
>結果がなければ報酬はありません。
>医学の世界ではそれでもカネがかかる
>ということに甘えているとしか思えませんね。

少し誤解があるようです。
病気は、薬が治すのでも機械がなおすのでもありません。
医師の思想が治すのです。
従って、貴方が過去にかかられた先生のお考えだけが、治療ではないと思われます。
ステロイド治療だけで、完治する患者は少ないようです。

アトピー性皮膚炎の80%は、自然になおります。
残りの20%の難治性の方の一部が当院を受診しています。

>ビジネスの世界では

ビジネスの世界では、礼儀作法を無視すれば契約および商売はできません。
InterNet上でもネチケットというものがあります。
初めてのお手紙ならご自身の経歴は、書くものです。

お手紙の場合でも礼儀は守っていただきたいものです。

>もし、「完治」した患者のデータがあれば
>公開してください。

詳しくは、小生が出版している、「XXXXXXXXXXX」
(XXXX円)をごらんください。(注意:これは宣伝したくないので名前をふせておきます)

アトピー治療に対する考え方は、もうすぐ、先日XXX(XXXXX発行)という雑誌に掲載した記事をこのページに掲載してくれるはずですのでお読みください。


先生への返事

お返事ありがとうございます。

>ビジネスの世界では、礼儀作法を無視すれば契約および商売はできません。
>InterNet上でもネチケットというものがあります。
>初めてのお手紙ならご自身の経歴は、書くものです。
>お手紙の場合でも礼儀は守っていただきたいものです。

大変失礼いたしました。
感情に走りすぎた自分が恥ずかしいです。
経歴を書いておきます。
名前:松岡慎治
年齢:27歳
職業:会社員
アトピー歴:13年
14歳から発症、ステロイドロコイドからスタート、1993年3月から1994年5月にかけてトプシムを塗っていました。頭皮にはリンデロンのローションを使っていました。内用薬はもらっていましたがほとんど使わなかったです。渡り歩いた病院は6〜7件です。1994年5月トプシムが効かなくなり、ステロイドの使用を停止しました。

1994年5月末より、医療法人光明会 明石病院で診察を受けています。治療はステロイドの使用停止のサポート(患者の性格、症状によってやめさせかたは違うようです)、リバウンド症状発生後のケアの2つが中心です。明石病院の指導に従い、アルカリイオン水を1日3〜5リットル飲み、リバウンド症状が激しい場所に強酸性水を塗っています。外用薬はアズノール、アンダーム、亜鉛華軟膏等内用薬はリバウンド時の症状、カンジダやブドウ状球菌ヘルペス等の合併症がでた時に合わせて使います。

ステロイド停止後、リバウンド症状は私も例外にもれず経験しました。診察を受ける前から自分なりにどんなものなのか調べて覚悟していたのですが、経験してはじめてその恐ろしさがわかりました。

ムーンフェイス、リンパ液がポタポタ落ちる状態、足の異常な冷え、肝臓機能の低下脱毛、空気に肌が触れるだけで痛くなる状態、全身発赤、うつ状態今思い出しても怖いです。今も1〜3か月ペースでリバウンド症状が出ますが、1回目以上の症状は出ていません。しかし、出てしまうと2〜3週間は仕事にならず休みがちでした。結局、今年の9月よりまとめて5か月の休みをもらって自宅療養中です。(注意:このメールのやりとりの当時のこと。僕は現在はこの当時のリバウンドは全然出ていません)

>アトピー性皮膚炎の原因は、人間の免疫異常です。
>免疫をコントロールするには、様々な治療があります。

明石病院でも同じ考え方のようです。糖質コルチコイド、鉱質コルチコイドと、血中抗酸球数、IgEの数値の変化(これはあんまりあてにはならないようです)を観察されます。それから、視力低下にも気を遣います。

私が興味をもったのは、アレルゲンの数値が、今まで増えることはあっても減ることが無かったのが減り出したことです。しかし、結果が先行していてプロセスがはっきりわかっていないため、アトピー学会では、臨床結果の発表をさせてもらえないそうです。皮膚科の先生の大半は水なんかで治るはずがない。という態度を変えません。

内科の見方ではどうなのでしょうか?「陰極水は胃腸内異常発酵の予防、胃酸過多の予防に有効」の延長で、アルカリイオン水は体質改善に役立っていると思うのですが。ヒスタミンの体内発生の抑制ができれば、症状は出にくくなると思うのですが。

私の場合、IgEは初診時32000でしたが現在15000前後です。今でも30000が出てから2週間ぐらいで軽いリバウンドが発生します。これが200〜400ぐらいに下がれば治るであろうといわれました。(注意:今はこの数値は直接関係ないのではと思います。体質としてあっても、薬なしできれいに治ってしまっている患者もいます。体質と表面に出てくる症状の大きさは比例していないのかもしれません。)副腎はフル稼働しはじめましたがホルモンの分泌が完全に行われていないのだろうとのことです。時間はかかるが自然に治るだろうという見通しは実感しています。

>病気は、薬が治すのでも機械がなおすのでもありません。>医師の思想が治すのです。

間違った思想と正しい思想を見分ける目が患者側にも必要ということですね。私は患者自身が治るという強い意志と希望を持たないと治らないと思います。ステロイドをやめるときは悩みに悩みました。ステロイドを使っていたときはそんなことをじっくり考える余裕も無い生活でした。受験勉強や会社勤めが最優先だったからです。まだ完治していませんが、いまはステロイドをやめて本当によかったと思っています。ビジネスマンとしては失格ですが。

長々と失礼いたしました。また、質問させていただいてもよろしいでしょうか?

ホームページ:http://www.bekkoame.or.jp/~sji(私なりのステロイドに対する考えを書いています。先生から見れば誤解だらけかもしれませんが....)


先生からのお返事

アトピー性皮膚炎の治療で大事なことは、社会適応だと思うのです。

講演会などで、最近私が提唱しているビジネスの定義は、

1 今日の仕事ができること。
2 あしたの仕事の準備ができていること。(5年後10年後もです。)
3 社会に適応していること。

患者の治療もこの考えでおこなっています。

医療法人光明会明石病院で治療中の患者も数人こられましたが、3番目の問題で困っているわけです。
治療している間、社会生活ができないと。貴方はどうですか?

アトピー性皮膚炎では、死にません。結果として落ち着いた状態になれば言い訳ですから、社会生活を確実に行いながらなおることがいい治療と考えています。
ステロイドからの離脱は正しく行えば、そんなに難しいことではありません。というのも私がおこなっていた膠原病患者の治療では、一日に点滴で1グラム以上を数日間、軟膏の何千倍もの量を投与し、内服でも多量のステロイドを使っていました。数十人、何年も治療したのですよ。

従って、貴方のお手紙が正しいとして、貴方がおこなっている離脱方法は、大学病院での治療プロとコールとは違うようなので、私には理解できません。そこの先生が、私がいた内科ほど、免疫抑制剤(ステロイドを含む)を使い患者の治療を行った経験があるかどうか疑問です。

よく覚えていてください。医療行為は、目いっぱいのところでやってはいけないのです。治療法を100持っているとしたら、せいぜいそのうちの30ー40%を使って治療するものなのです。

私自身に於いても、多くの膠原病患者や白血病患者の免疫治療経験がなければ、こんなに簡単にアトピー患者は、治せなかったと思います。

ホームページを読みましたが、一人よがりは恥ずかしいことです。
自分の経験を書くことは自由ですが、アトピー患者としては、そうですね.....当院でいうと、5年前の患者の程度です。
世の中は川の流れのようにどんどん進歩しています。周りをしっかり見て、生き方を考えてください。


この内科の先生とのやりとりから得たこと

まず、この先生にメールを出した当時(95年10〜11月)の僕のネチケットは確かに未熟でした。
今考えると、もう少しソフト路線でこの先生の治療の実態や本音を聞き出すべきでした。
このやりとりをしていた当時、僕のページではリバウンドの写真今の写真は掲載していなかったので、この先生を怒らせただけに終わったのが残念です。最初にこの先生に投げた僕のメールの表現が失礼であったことで、深く踏み込んだメールのやりとりができず、僕の表現力のきつさが裏目に出てしまいました。最後の、先生からのメールに対して怖くて返事を書く気がなくなったというのが正直なところですが、このメールのやりとりをした当時は結構戸惑いました。

この先生とももう一度『対等な立場で』対話を再開してみたいです。

もし、可能であるならば、以下の点について質問したいと思っています。

1.アトピーは自然に治ってしまう、少なくともアトピーでは死なないとおっしゃるのに、
 なぜ免疫抑制剤(ステロイドを含む)を使う必要があるのでしょうか?

2.『こんなに簡単にアトピー患者は、治せなかった』とおっしゃっていますが
 患者さん自身、本当にステロイドを完全に切って、現在何も薬に頼らず生活
 できているのでしょうか?

3.『結果として落ち着いた状態』とは、先生がおっしゃっている

 『今日の仕事ができること』
 『あしたの仕事の準備ができていること』
 『社会に適応していること』

 を含めた場合、『免疫抑制剤(ステロイドを含む)』なしには成り立たない、
 また、専門家とチームワークをしっかり組めば、
 ステロイドの離脱も先生にしてみれば簡単と
 おっしゃりたいのだと思いますが、
 実際の成人アトピー患者がなかなか離脱できずに苦しんでいる
 実態や、医療に対する不信感も、理解していただきたいです。

なぜなら、成人アトピー患者は、これら

 『今日の仕事ができること』
 『あしたの仕事の準備ができていること』
 『社会に適応していること』

等を満たすためにステロイドを皮膚科の先生に『言われたとおり使って』
 『結果として落ち着いた状態』(対症療法)を維持していたはずが、
 薬が効かなくなり、結局は患者自身が薬を切って苦しみ抜いて克服しているのが現実だからです。

 上の3つを犠牲にするリスクは常識では理解できなくとも、患者はここまで追い込まれているのです。この部分に関する理解をもっと医療関係に携わっている方には深く掘り下げて患者と対話して頂きたいと思います。
医療関係者の方々はこの意見に対してどう思われますか?

今までの患者と医師の平行線を更に縮めるには、話しをすりかえずにもっと真剣に話しあう必要があるのではと思います。

リバウンド症状を乗り越えて、振り返ると、

 『今までお医者さんに言われた通り使ってきた、ステロイドは
  いったい何だったんだろう?最初から使わなかったらいいのに』

というごく当り前の論理に到達すると思います。

この疑問が常につきまといます。それでも知らないところでたくさんの患者さんが
僕と同じ運命に会うまで5年、10年と結局ステロイドに頼ってしまい、薬害になる

『根本的な』

原因が『ステロイド』であり、事態は医療サイドの想像以上に深刻なものであるということを医療サイドの方々が素直に認めようとしない限り、ステロイドをやめて、患者自身が苦しみ抜いて克服せねばならないという理不尽な結果がいつまでたっても改善されないと思います。

 1.『アトピーは自然に治っていく』
 2.『アトピーでは死なない』

と、多くの医療関係者はおっしゃいます。同時にこうもおっしゃいます。

 3.『根治に至らしめる治療方法が確立されていない』
 4.『だからステロイドで抑えてコントロールするのが最善』

 これは、患者から見れば、医療サイドの二枚舌と
とられても仕方ないと思いませんか?

これに従順にならって僕もコントロールしてきた結果、何度も繰り返しますが、やがて効かなくなった、そして、薬をやめて、リバウンド克服し、ここまで到達できているのです。僕以上に、すべてを犠牲にして克服している元患者さんも国内にはたくさんいるはずです。その論理に耳を傾け、対話の土俵に立てるような医療関係者の方々の登場を心から待っています。

もし、今からでも対話再開が可能なら、お返事お待ちしています。


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